産毛は、細くて柔らかいくせに意外と気になるムダ毛です。
そのため、うなじや背中やフェイスラインなどの脱毛を考える方も多いのではないでしょうか。
でも実は、産毛の脱毛で毛が濃くなったり増えたりすることがある、ということはご存知ですか?
それは「硬毛化」や「多毛化」という、いわゆる脱毛の副作用です。
起こる確率はとても低いものですが、どんな人でも起きる可能性はゼロではありません。
せっかく時間とお金をかけて脱毛をしているのに、逆に毛が硬くなったり多くなったりしては元も子もないですよね。
今回は、産毛の脱毛をする時に知っておくべきリスクと、硬毛化と多毛化について詳しく説明します。また、万が一起こってしまった場合、どんな対策があるのかも紹介していきますので、ぜひ参考にしてくださいね。
硬毛化と多毛化って一体どういうこと?
硬毛は、ひげやワキ毛のように1本でもしっかり目立つ太さの毛のことです。硬毛化とは毛が以前よりもしっかりと太くて硬くなり、さらに毛が伸びて長くなる現象。
硬毛化は個人差があり、どの程度太く長くなるかは人によって異なります。しかし、元々なくしたかった産毛は細くて柔らかな軟毛ですので、それが硬毛に変化してしまったらとても気になりますよね。
一方、多毛化とは以前よりも毛が多くなることを言いますが、実際のところは毛穴の数が増えたり減ったりすることはありません。
本数が変わったわけではなくても、細くて目立たなかった毛が硬毛化によりしっかり目立つようになったことで、増えたように感じるというのが実情です。
実際に増えていないとはいえ、ツルツルのお肌を目指しているのに、目立ちにくかった毛が目立つようになってしまってはたまりませんよね。
一体なぜこんな現象が起こってしまうのでしょうか?
次の章で硬毛化と多毛化の原因を詳しく説明していきます。
硬毛化、多毛化の原因は?
残念ながら、硬毛化や多毛化の原因はまだ正確には解明されていません。しかし、脱毛時におけるレーザーや光の熱量不足が原因であるという説が有力です。
レーザー脱毛や光脱毛のメカニズムは、毛の黒い部分にあるメラニン色素に強い熱を加えることで毛根にダメージを与えて脱毛を促すというものです。
レーザーや光はメラニン色素に反応するので、色素の濃い太い毛には抜群の威力を発揮しますが、産毛は細くて色素が薄いので弱い熱量しか加えることができません。
十分な熱量を加えることができずに中途半端な刺激を与えると、脱毛どころか毛根やその周囲組織を活性化させることになってしまい、硬毛化や多毛化を引き起こすというわけです。
ですから、ワキやVIOなどの硬毛ゾーンでは硬毛化することはまずありません。
しかし、元々は細くて柔らかかった産毛がしっかりした硬毛になってしまうのは大問題です。
万が一フェイスラインにワキ毛クラスの太い毛が生えてきたら…。考えただけでゾッとしますよね。
絶対に起きてほしくない硬毛化と多毛化。そのリスクのない脱毛法はないのでしょうか。次の章で紹介していきます。
産毛脱毛の救世主なるか!?硬毛化や多毛化を起こさない脱毛法は?
硬毛化や多毛化を起こしにくいとされているのは、「SHR方式」という蓄熱式の脱毛法です。SHR方式の脱毛メカニズムは、レーザー脱毛や光脱毛とは全く違います。
毛根に狙いを定めて強い熱でダメージを与えるレーザー脱毛や光脱毛に対して、SHR方式が狙うのは毛に栄養を送り込む組織「バルジ領域」です。
弱い熱をじわじわと浸透させてバルジ領域を破壊することで、新しい毛が育つことができなくなり、最終的に生えてこなくなるという仕組みになっています。
毛根に刺激を与えることがないので硬毛化や多毛化になりにくい脱毛法と期待されていますが、バルジ領域が発見されたのは西暦2000年のことですので、まだまだ歴史の浅い脱毛法です。
そのため実績が少なく、脱毛効果がどれほどあるのか、そして副作用がないといえるのか、はっきりとは言い切れないのが実情です。
完全に予防するのは難しい硬毛化や多毛化。もしも起こってしまったらどんな対処法があるのか、次の章で説明していきます。
なってしまったらどうしよう?硬毛化、多毛化の対処法は?
万が一硬毛化や多毛化が起こってしまったら、まずはクリニックやサロンに相談しましょう。
クリニックやサロンによって様々な考え方があるので対策は違ってきますが、硬毛化や多毛化に効果があるとされているのは次の5つの対処法です。
1.レーザーや光の出力を強くする
弱い出力による中途半端な刺激で硬毛化や多毛化が起きてしまうのですから、強い出力で一気に毛根を破壊しようとする対処法です。
硬毛化した毛は産毛の頃よりも硬く太くなっているので、レーザー脱毛や光脱毛の効果も出やすくなっていることもあり、これでうまく脱毛が進むこともあります。
しかし強い照射は皮膚にもダメージを与え、痛みも強くなりますし、更なる硬毛化や多毛化を生むリスクもひそんでいます。
2.レーザーや光の出力を弱くする
反対に、出力を弱くするケースもあります。
出力を強くすることで更に硬毛化や多毛化が起こることを避けるため、毛根に無駄に刺激を与えないようにしながら脱毛を続ける対処法です。
そこそこの硬毛なら弱い出力でも脱毛することができますし、肌へのダメージは減りますが、こちらの方法でもやはり更なる硬毛化や多毛化を引き起こすリスクは否めません。
3.脱毛マシンを変える
現在レーザー脱毛にはアレキサンドライトとダイオード、ヤグレーザーの3種類、光脱毛にはIPSとSSCという2種類のマシンが主に使用されています。
これらのマシンは全て発射するレーザーや光の波長が異なります。
そして硬毛化や多毛化しやすい波長は人によって異なるので、脱毛マシンを変えて違う波長のレーザーや光を照射して、硬毛化や多毛化を改善しようという対処法です。
多種類のマシンを使用しているクリニックやサロンでは期待できる対策ですが、そうでない場合はクリニックやサロン自体を変える必要があります。
4.脱毛をお休みする
しばらく脱毛をお休みするという措置をとることもあります。
刺激を与えられて活性化した毛根と周辺組織を毛が生えかわるまで放置して、毛根が正常に戻るのを待つというものです。
対処法と呼ぶには非常に消極的なものに思えますが、目立ちにくい場所であるなら硬毛化と多毛化が新たに進むことはない安全な方法とも言えます。
5.ニードル脱毛する
これはもっとも素早く確実に、硬毛化や多毛化してしまった毛を取り除くことができる方法です。ニードル脱毛とは毛穴に針を差し込み、電気を流してダイレクトに毛根を破壊する脱毛法です。
唯一の完全なる永久脱毛であり、一度行うとその毛穴から二度と毛が生えてくることはありません。
しかし毛穴ひとつずつに針を差し込み電気を流すので相当な痛みを伴いますし、時間もお金もかかります。
ですが、どうしても目立つ場所が硬毛化してしまい一刻も早くなくしてしまいたい場合には、頼れる有効な対処法です。
万が一の備えに!硬毛化保証のあるクリニックやサロンを選ぼう
万が一硬毛化や多毛化が起きてしまったら、どんな対策を採ったとしても脱毛が長引くことは避けられません。
でも「硬毛化保証」という制度を設けているクリニックやサロンなら、契約コース終了後も硬毛化や多毛化が起きてしまった部分に限り再照射してもらうことができます。
かかってしまう時間はどうにもなりませんが、硬毛化保証があれば費用の心配は軽減されますね。
まとめ
起こる確率は低いとはいえ、硬毛化や多毛化は誰にでも起こりうる脱毛の副作用です。
クリニックやサロンによって対処法は異なりますが、硬毛化や多毛化が起きているのではないかと気になった時に相談しやすい環境であることが何よりも大切です。
脱毛経験の豊富なクリニックやサロンなら硬毛化保証などのトラブル対策も行き届いていますし、複数の種類のマシンを備えている所であれば、他のマシンに切り替えるのも簡単です。
産毛の脱毛にはリスクがあることもしっかりと理解したうえで、信頼できるクリニックやサロンで施術してもらうことをお勧めします。
投稿者プロフィール

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1974年、兵庫県神戸市生まれ。関西外国語大学英米語学科を卒業。
卒業後すぐに格安旅行会社へ就職しましたが、予約獲得ノルマの厳しさに、短期間であえなく退社。その後、実家である美容院で見習いとして働きながら、通信教育で美容師免許を取得しました。
現在、美容歴約20年。父から引き継いだ美容院をひとりで運営しています。創業43年になる美容院ですのでお客様の年齢層も高く、70~80代の女性の方がほとんどです。
仕事を始めた頃は、その世代の方たちとおしゃべりをすることがとても難しくて、美容の技術よりも話術を磨くことが大変でした。
ライターとしての実績はほとんどありませんが、小さいころから読むのも書くのも大好きで、本当にやりたい仕事は『物書き』でした。
読むのは小説が主ですが、中でも児童文学が大好きです。子供の頃に読んだ、小人や魔法使いが出てくるようなお話を今でも繰り返し読んでいます。
動物が大好きで、今は「デグー」という小動物を飼っています。デグーは「アンデスの歌うネズミ」と称されるげっ歯類で、小鳥のようにピルピルとかわいい声で鳴きます。手のひらに収まるくらいの小さな動物ですが、とても賢い生き物で、犬レベルの知能があるといわれています。
将来の夢は児童小説を出版すること、そしてオーストラリアのロットネスト島に行ってクオッカワラビーと戯れることです。
どうぞよろしくお願いします。
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