早食いで起こるデメリットとは

ダイエット情報

はじめに

「よく噛んで食べてね!」

と、子どもの頃、親によく言われていた方も多かったのではないでしょうか。

よく噛んで食べることは、食べ物の消化吸収を良くするだけではなく、健康寿命を延ばすことにもつながります。

「胃の中に入れば同じじゃないの?」と思う方もいらっしゃるでしょう。

ところが、噛んでいないのと、噛んで食べるのとでは、体の中では大きな差が生じているのです。

今回は、ゆっくり食べることのメリットだけではなく、早食いのデメリットとも合わせてお伝えします!

さらに、自然によく噛んで食べられるコツをお教えいたします。

早食いは食べ過ぎの元!食べ過ぎは肥満の素!

「早食いすると太る」聞いたことがある方もそうでない方も、なぜ早食いがいけなくて、具体的にどんな悪影響が及ぶのか分からないですよね。

はじめに、満腹になるまでの過程を説明しましょう。

人間は食事をすると血中のブドウ糖の濃度が上昇します。

これがいわゆる血糖値の上昇です。

そしてブドウ糖の濃度に満腹中枢が反応し、脳に「お腹いっぱい!満腹だよ!」と合図を出します。

満腹中枢の合図があってはじめて、お腹いっぱいになるのです。

ただ、血糖値は、上昇するのに15分〜20分の時間が必要で、早食いの人は満腹を感じる前に食べ過ぎてしまう傾向にあります。

これが慢性化すると、エネルギー摂取が過剰になり、太るのです。

また、早食いになると血糖値が急上昇します。

そのため、内臓に負担がかかりやすくなるだけではなく、内臓機能がうまく機能しなくなり、血糖値がうまくコントロールできなくなってしまう可能性があります。

これがいわゆる糖尿病です。

早食いが糖尿病になる原因の全てではないのですが、血糖値と糖尿病は深い関わりがあります。

肥満や糖尿病の予防に早食いはできるだけ避け、よく噛んで食べることが大切です。

早食いは体への負担大!?あちこちで起こる異変

早食いで噛む回数が減ることによって、よく噛んで食べるよりも、食べ物が分解されていない状態で体内に運ばれます。

そのため、胃腸に負担がかかりやすいのも早食いのデメリットです。

人は食べ物を噛むときに、必ず唾液を分泌します。

唾液にはアミラーゼという消化酵素が含まれており、ご飯やパンなどの炭水化物に含まれるデンプン糖を分解し、胃腸での消化吸収を助けます。

逆によく噛んで置かないと胃腸の負担が大きくなってしまうのです。

また、「噛む」という行為は脳にたくさんの刺激が送られます。

咀嚼することで脳内の海馬という部分が活発化し、記憶力や空間認知能力が上がります。

早食いで噛む回数が少ないと、脳への刺激が減り、認知症のリスクも発生するんです。

よく噛んで食べることは最も身近な認知症予防に繋がる行動です。

唾液は消化酵素が含まれているだけではありません。

唾液には口の中の細菌を洗い流す働きがあります。

食べ物を噛む回数が少ないと、唾液の分泌量も減少します。分泌量が少なくなれば細菌を洗い流す力も弱くなり、虫歯、歯周病、口臭などのお口トラブルも多発します。

食べ物は私たちの活動のエネルギー源であると同時に、しっかり噛んで体内に取り込まないと、反対に体内にたくさんの負担をかけてしまうのです。

1日3回の食事、よく噛むとここまで変わる

これまで早食いによるデメリットを書きましたが、よく噛むようになるとどう変わるのでしょうか?

分かりやすく、箇条書きにしました。

○肥満の予防

よく噛んで食べることで、胃腸での消化吸収を助け、また顎をよく使うことで消費エネルギーが増加して太りにくく、痩せやすい身体になります。

○胃腸の働きを助け、促進する

よく噛むことで消化酵素がたくさん出て、胃腸での消化吸収を助けます。

また必要な栄養素はきちんと体内に取り込まれ、不必要な残りカスは便として排出され、老廃物が体内に溜まりません。

○脳の発達

よく噛むことで脳の血流量が増えて、脳細胞の働きが活発になります。

小さいお子さんは知育に役立ちますし、高齢の方は認知症の予防にも効果的です。

○歯の病気を防ぐ

よく噛むと、たくさんの唾液が出て、口の中をキレイにしてくれます。

唾液の力で細菌感染を予防し、虫歯や歯周病の予防に繋がるんです。

○味覚の発達

よく噛むことで食材本来の味を味わえるようになり、薄味でも満足感が得られます。

また、よく噛むことで食材の持ち味がわかるようになります。

誰でもできる!30回噛めるようになるコツ

「1口あたり30回噛みましょう!」と言われても、普段、自分が1口あたり何回噛んでるか数えることは滅多にありませんよね。

シンプルにいつもの食事を噛むようにすることもできますが、自然に噛む回数が増える方法があるんです。

特に筆者がオススメする方法を3つご紹介します。

①食事中にワンアクション!箸を置く&水を飲む

筆者が今でも行なっている工夫です。

一口食べる毎に箸を1度、置きましょう。

そうすると、また一口食べるために”箸を持つ”という動作が加わります。

すると自然に食べるのに時間を要し、早食いを防いでくれるのです。

水を飲むのも同じ理由です。

食事の合間にお水を飲むことで満腹中枢の合図が来る前に食べ過ぎてしまうのを防いでくれるからです。

可能であれば、箸を置いて、水を飲むという”合わせ技”ができたら最高ですね。

飲み物がジュースやお酒だと肥満に繋がってしまうので、水かお茶にしましょう。

②意識で変わる!口に運ぶ量と噛む時間

美味しいものを口いっぱいに頬張る瞬間は幸せですよね。

しかし、健康のために、口に入れる量を普段の半分にしてみてください。

口の中はいつもより寂しいかもしれませんが、そのぶん美味しいご飯を食べられる時間がいつもより長くなると思いましょう。

噛む時間ですが、普段10分〜15分で食事が終わっている方は20分〜25分で終えられるようにしてみましょう。

この5分〜10分、時間がプラスされることで、「お腹いっぱい!満腹です!」と、満腹中枢が満腹の合図をしっかり出してくれます。

③食事内容で大事なのは”食べごたえ”

同じ食材でも調理法によって満足感が変わります。

五感での美味しさも大切ですし、自分の脳が「美味しかったよ〜!お腹いっぱいだよ〜!」と思ってもらえることも大切です。

そこで私がおすすめしたいのは食べるときに時間のかかる食材を選んで、調理もできるだけ食材そのものを活かそう!というものです。

これだけではうまくイメージができないと思うので、具体例を挙げていきますね。

例えば、鯖の味噌煮でも3枚におろして煮込む方法より、内臓を取ってぶつ切りにして煮込んで食べた方が、食べるのに時間がかかります。

なぜなら、食べるときに骨を取り除いたり、身を箸で一口大に分ける動作が加わるので、食べるのに時間がかかるからです。

お肉ですとひき肉よりぶ厚いお肉や骨つきのお肉がオススメです。

よく噛まないと飲み込めないので、自然と噛む回数が増えます。

野菜は生で食べられる野菜は生でいただきましょう。

根菜類は、大ぶりに切って歯ごたえを出すのがオススメです。

食を通して健康でイキイキした毎日を

生きていく上で、食事は切り離すことができません。

1日3食、仮に70歳までの食事の回数を計算すると76,650食です。

現代社会では食事の時間をたっぷり確保するのはなかなか難しいですが、よく噛んで食べることで得られるメリットはたくさんあります。

「何を食べるか」も重要ですが、「どのように食べるか」も、健康な体づくりには大切です。

あなたの食事のルーティンに、今回紹介した方法を取り入れていただけたら幸いです。